JR南武線宿河原駅を出て二ヶ領用水を渡ったら右に曲がり、しばらく歩いたら左折します。そのまま直進し二ヶ領用水の新川にかかる長尾橋を渡り右折します。このまましばらく道なりに歩くと生田緑地バラ苑の入口となります。
ここはもともと向ヶ丘遊園バラ苑だったところ。向ヶ丘遊園が閉園してからは川崎市の管理となり、生田緑地バラ苑としてバラの開花期のみ開園しています。 ゆるやかな坂道を上ってさらに107段の階段を上り切ると、眼下一面にバラ苑が広がっています。
バラ苑でバラの花を十分堪能したら案内板にしたがって裏門からバラ苑の外に出ます。しばらく起伏のある山道を歩き、やがて住宅街の間の道となります。
住宅街を抜け広い通りを左折すると、目の前が生田緑地の入口です。生田緑地に入ってすぐ左手には、かながわの花の名所100選にも選定されている菖蒲池があります。そして右手には川崎市立日本民家園の入口があります。
川崎市立日本民家園は、急速に消滅しつつある古民家を将来に残すことを目的に開園した古民家の野外博物館です。園内は「宿場」「信越の村」「関東の村」「神奈川の村」「東北の村」の各区域からなっています。また、ここにある古民家は国の重要文化財に指定されるものもあるなど、文化財としての価値が非常に高いものとなっています。
園内に入って一番最初に目に飛び込んでくのは原家住宅。明治後半期の豪華な二階建て民家で、完成までに22年の歳月を費やしたというから驚きです。時節柄、建物内には端午の節句のかぶとが飾られていました。
水車小屋を経由して、信越の村に入ります。写真の江向家住宅(えむかいけじゅうたく)や佐々木家住宅は国の重要文化財に指定されている貴重な建物です。佐々木家住宅は雪の少ない地方の、江向家住宅は豪雪地帯の特徴をよく表しています。
同じ信越の村にある飛騨白川郷合掌造りの山下家住宅は、川崎市内で観光料亭として利用されていたものを再移築したものです。ここでは手打ちそばなどの軽い食事ができるほか、2階からは先ほどの江向家住宅がよく見渡せます。
園内には随所に道祖神、庚申塔、馬頭観音、道標などの石造物が並び、昔ながらの里山的雰囲気を演出しています。また、古民家だけでなく、水車小屋、高倉、高札場、船頭小屋などがアクセントとなって、見る人を楽しませています。
信越の村を抜け、関東の村を見学したら神奈川の村に入ります。写真は神奈川の村の北村家から清宮家に続く坂道。この後右手の坂を上ると「船越の舞台」方面となりますが、時間がなければ割愛してもいいでしょう。 東北の村を見学したら奥の門から外に出ます(奥の門からの入場も可)。