今回はJR東日本の「駅からハイキング」イベントに参加しました。小田原駅から専用バスに乗り仙石高原交差点付近でバスを降りました。自宅を出るときに降っていた雨もあがり、太陽が顔をのぞかせるほどにまで回復しています。
県道から仙石原高原の遊歩道に入ります。遊歩道の両側には人の背丈ほどにも成長したススキが生えています。季節が早いためか、まだまだ若く元気な穂が多いようです。細い遊歩道やちょっとした広場で観光客や写真愛好家がシャッターを切る姿が見られます。
仙石原は、箱根火山カルデラ内に広がった火口原の一つで、標高650メートルの高原です。湿原植物が豊富で秋にはススキに覆われます。見渡す限りのススキの野原が太陽の光を浴び金色に輝く様子は大変美しいものがあります。
遊歩道を出て県道を歩きます。歩道がない上に交通量も多く、慎重に歩かなければいけません。写真の箱根湿生花園入口の案内板のところで左に曲がりますが、この付近から見た仙石原がすばらしく、写真に収めておきました。
箱根湿生花園には舗装された道を歩いていきます。県道とは違い歩道があるため安心して歩くことができます。ところどころ特徴のあるお店ががあり、道行く人の興味をそそります。先ほどの交差点を曲がって一番最初に現れるのは、写真の甘味処よもぎ屋。よもぎアイスクリームって、いったいどんな味なのでしょうか。
間もなく、箱根湿生花園に到着します。ここは湿原を利用して四季折々の湿生植物を育成し一般に公開する植物園。季節ごとに咲く花を求めて観光客が大勢訪れます(冬季は閉園)。
園内には湿地帯の植物約200種、草原や林、高山植物が1100種集められています。写真の黄色い花はイトバハルシャギクという植物です。
園内は木製の遊歩道が整備され低地から高山へ、初期の湿原から発達した湿原へと順番に見て回るようになっています。この日一番印象的だったのは黄色いかれんな花を咲かせるオミナエシで、園内のあちこちでその姿を見ることができました。
写真の池の中にあるものは、約850年前のものといわれるスギの根株で、神代杉とよばれています。大地震などでこの場所に滑り落ちてきたのではないかと考えられています。
湿生花園南側の仙石原湿原植生復元区内の遊歩道を歩きます。オミナエシの黄色い花が咲き、まるで黄色い絨毯が広がっているように見えます。そして、その向こうには仙石原の風景が広がっています。
しばらく遊歩道を歩いていると、先ほどまでたくさん咲いていたオミナエシの花がまったくなくなり、いかにも湿原らしい植物が一面に広がっています。それほど距離が離れていないのにこれほどまでに植生が変わるのは不思議なものです。
湿生花園の方向に目を向けると森の手前に湿生花園の遊歩道を歩く見学者の姿が見えます。そして、その向こうに箱根外輪山の様子が見えます。